その愚かさでぼくの細胞を満たして

腐敗への憧憬が手招きする
眼球が融け落ちる夢をみる

(そんなにほしいか?)

喪失への安穏に手を伸ばす
小指を切り落とす現をみる

(そんなにこわいか?)

驕りに愁いて
綻びに憂いて
瞬きに熟れて

辛酸を舐めるまえに
塩酸を飲みこみたい

きみが白痴のようにわらう
生まれてきたとこを呪う術も知らずに
ぼくの指先が善良だと疑わずに

馬鹿げている!
愚かしい!

だけど、それはまるで尊いものようで

忘れていた
呼吸をしてみた
音が反響する
眼球の向こう側
底なしの常闇
きみが融けこむ

まぶたを綴じる
涙はでない
息をした

生きていた




100321