なにも纏わないことがうつくしさで
にっこり笑ってお辞儀をすれば
頭を撫でてもらえると信じていた

あざやかな追憶を
夜のはざまで集めて
つぎはぎの服を仕立てる
夢の楽園でダンスを

うそをついてはいけません
なかまはずれはいけません
きずつけてはいけません

従順にステップを踏めば
からまる矛盾がぼくを転ばす

ほつれていく糸に
あの日のかなしみが押し寄せて

にっこり
にっこり
にっこり
たのしくなくてもわらいなさい

いいこっていう魔法
いとおしくて
ひどくおろかしい

じょうずに踊れないぼくに
差し出される手は確かにあるのに
色褪せていくうつくしさを手放せない

うそつきはとてもやさしくて
きみまでもがやさしくて
ぼくは足元ばかり見つめる

いいこっていう呪い
いとおしくて
ひどくかなしい

もうとっくにとけているのに
ぼくはいまだ戯れて
くるくると廻りつづける

廃れたステップを踏みながら
終われないダンスを




100727