充満する腐敗臭に
きみのまっしろな肢体を思い出す
あまい匂いのした夢のなかで
ちゃんと殺してあげられたかしら
麦藁帽子に隠されてるのはのっぺらぼう
あまりにも悲しそうな顔をするから
ぼくが剥ぎ取ってしまったんだ
汗の滲むうなじから溶け出して
ゴトリと鈍い音がすれば
灼熱のアスファルトを転げ落ちる
はやくきみを食べなくちゃ
もうすでにあまい匂いがする
はやくきみを、
陽炎がゆらゆらら
これはきっと白昼夢
ふらふららと腐乱して
どこからともなく饐えた匂い
ゴトリ、
鈍い音がして
きみと夏がおわる
ぼくの夏が
100625
コミュに投稿した詩。テーマは「夏」