歪んだ身体に生きてきた証
気づけば真っ直ぐ歩けなくて
白線からはみ出してしまう

そんな両足切っちまえ!
そう云ったきみの背中に縋っていい?

希望は無防備だからうつくしい
ぼくの手のナイフを知らないで
肩甲骨から翅を削ぎ落としても怒らないで

うつくしさはぼくを生かさないけれど

途方もない後ろめたさ
死という概念に殺される

ゆっくりゆっくり歪んでいって
薄い皮膚を突き破りたいのね

きみはぼくの両足を切ったりしない
臆病なぼくは空っぽの手を伸ばす
しなやかでうつくしい背中

重さを預けるなんてしちゃいけないよなあ

馴染んだ椅子に座る
ギシリと音が響く

ゆっくり
歪んで

このまま心中したい
きみが振り向く前に
薄い皮膚を




100512