否定と肯定のあいだで
きみの返答を知りながら
隠微な行為をくりかえす

黒く塗りつぶされた
きみへの思いが
暴かれるのをまっている

蛍光灯に透かして
そっと見てみて
はっとして息を飲んで

昨日捨てた肉体はだれかに愛撫されて
去年殺したやさしさはだれかの胸で泣く

失くした耳の奥で
なつかしい声が
甘い毒を吐きだしている

ふっと笑ってみせれば
虚しさがすべてを浚っていった

零と一のあいだで
ぼくは解答を知りながら
淫靡な行為をくりかえす

よるべない残骸が息絶えるまで




100418