ちっとも読み進まない本を
投げ捨てて
人生について考える

そんなの
教えてもらわなくたって知っていた
生まれたときから知っていた

なんだか身震いがして
膝を抱える

きみは知識に溺れて
ぼくは感情に溺れて
どちらが先に溺死するのかな

この小さな部屋を
宇宙とよんでも
差し支えないよね

溢れる感情を
象るすべてを憎んでいた
名もなき感情を
模るすべを恐れていた

情報は飛び交い
感情は行き交い
ぶつかってはじけた

ぼくのさみしいを
きみが難しい言葉で説明して
どこか遠いところに行っちゃった

ぼくが溺死するのと
扉が崩壊するのと
どっちが先かな

それとも
きみが迎えにくるのかな

そのときは
てぶらできてね




100219