十四才
そこには
ことばにできない苦しみがあった
なにがあったかはわからない
いや、たぶんなにもなかった
あのときの自分に会いにいって
だいじょうぶだよ
って云ってあげたいけど
云ってあげたところで
きみは聞く耳を持たないだろう
どんなにことばを尽くしても
届かないだろう
きっとどうしようもないんだ
諦めて苦しんでくれ
未来のぼくのために
死にたいを100万回繰り返して
それでも生きてくれ
救われたいと本気で望んだ
あの昏い純粋さを
ぼくは忘れない
忘れようもない
うつくしかったきみ
永遠に十四のきみ
ぼくはきみを
置き去りにせざるをえない
生きてるから
あのとき
死ねなかったから
100203