青い日々は死をもたらす
神様みたいな顔をして
「生きろ」と云った彼は
昨日の夜に死んだらしい

猫が赤子のような声で啼くように
ぼくらは体温を分け合い
裏路地の湿り気だけが
心地よく寄り添っていた

罪は赤くひかり
ときに青くきらめき
またときに黒くにごった

昨日と今日は繋がらない
一昨日と明日はもっと繋がらなくて
ぼくは今をさまよう
抱えられるだけのガラクタを持って


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・・・・・・・・・・・・・、


五年後の朝
ぼくはにごった空を見た
寄り添うものはいつかの黒猫だけで
孤独はダイアモンドみたく硬くなり
石ころよりもおざなりにされた

(ああ、死期を逃してしまったようだ、)

ねっとりとした命が絡みつく
世界を嘲笑ったぼくが
灰色になって溶け込む

青がそっときらめいて
横を通り過ぎていく

ぼくはふいに泣き出しそうになりながらも
鈍い心をなだめすかして
大人みたいな顔をした