かなしみに果てがあったらどうしよう
笑顔の合間にそんなことを考える

気休めのだいじょうぶに微笑んで
柔らかさや暖かさで
心を埋めようとしてみる

冷たい手がふいに首を絞めて
ぼくの暗闇を引きずり出す
ちらつく影が嘲笑う

「     、」

美しさは疾うに朽ちはてて
ぼくは今や羨望さえ抱かない

ゾッとする醜さがすべてだとしても

恐ろしいのは
きみがいなくなることよりも
いなくても平気だと
思ってしまうことだから

安堵するんだ

ひかりを前に痛む左胸に
まぶたの裏の残虐さに
その手の冷たさに





100122