さみしいからって
容易く手を繋げるわけじゃない

きみの簡単さを
押しつけたりしないでよ

「ねぇ、なにが好きなの?」

同じものが好きだから
仲良くできるという幻想

マジョリティに属するふりで安堵して
マイノリティな自分に陶酔して

名言集が愛読書で
いつかだれかに
云ってやろうと思っている

知っていることと
理解していること

秘密にすることと
なにも云わないこと

それらのどうしようもない
溝の深さ

コインを落としても音がしないんだ
なんの音もしないんだ

ぼくらはそこに落っこちて
助けてって叫ぶ

きのう開発した
新たなる言語で

叫んでいる




091130