そのことばの羅列はぼくを不幸にする
きみが述べた嘘よりも悪質で
ママと交わした約束よりも悲しい

ここは地獄ではないけれど
代名詞はそれと同じか
この悪い口でも表せないくらいに
ひどいかもしれない

目の前の闇にキスをしたら
死をもたらすとしても
それはべつに不幸ではなくて

こぼれ落ちる音楽の旋律に
ただただ騙されているのだって
こんなにも心地良いのに

だけど咽かえるほどのことばに
ひとり彷徨いながら
パンくずを溢して

 ここだよ

と示したがるぼくのなんてさみしいこと

出会ってしまったあの時から
少しずつ少しずつ
毒とも知らずに飲み込んで

おいしい、おいしい、
とパンくずを食んでいた

いつかこの身体がすべて蝕まれて
あなたの一部のように振舞うぼくを
冷たくてきれいな瞳で
ちゃんと捨ててほしい

もう不幸だなんて云えないように




080110