殺したかった夜
愛されたかっただけと
気づけなかった夜

今もまだ部屋の片隅で
しくしくと泣いている夜

うつくしさも
やさしさも
踏みにじって
ぜんぶ投げ入れた

ブラックホールみたいな夜に

最果てが欲しかった
ずっと夢見ている
枯渇することさえできない
終焉のきらめき

真夜中、

秒針の音だけが正しく響く
世界は明日にでも終わるだろうか
たとえそうであっても不思議じゃない
確かなものはひとつもなかったから

だけど、どんな夜でも明けてしまう
そんなことはとうの昔に知ってしまった

雨音が静かに責めたてる
絶対に口にしてはいけない言葉が
こぼれおちそうになる

とめどない、

雨が止んでも
呪いに蓋をしても
目を逸らしても

呼吸の数だけあふれてくる

並べ立てた言葉の意味が
喪失する

いい訳もいらないね

深夜2時

すべてがさみしさに帰結する




091017