振り返れば
後悔の海が広がっている

いつだって
傷つける言葉ばかり
ポケットにひそませていた
とっておきのカードみたいに

うつむいて
睨みつけた床の上に
涙を落とさず
呪詛を吐き出す

(生まれてこなければよかった、)

ぼくは一生に一度だけ
本当のこと云う
だからぜんぶ嘘
これも嘘だよ

世界は醜さを隠すように
どこまでも潔癖で
ぼくの示した悪が
くっきりと輪郭を描いてしまう

きみの正義を
道連れにしてしまいたいよ

振り返れば
反故にした約束が
無残に捨て置かれている
後悔にすら目を背けたぼくの手には
もうなにも残ってない

最後だから、

最期だから、

云ってもいいかな ?

きのう夜も浅いうちに
愛は死んだよ
でも憎しみも道連れだった


(さみしかった、)




091009
死に際の胎動(Rachael : http://adam.mods.jp/ra/)