かみさまの音をさせて
ひとりで出歩いた夜の
孤独を覚えていますか

あんなにも
人らしく
まるで人のような
わたしの姿を誰も見ていなかったと
粛々と願うばかり

渦まく邪念に気をとられるばかりに
見失っていたのは
君の行く先などではなく
わたしが彷徨っていたということ

やさしさを
ずるずると引きずりながら
すりきれた精神を
抱えなおしもせずに
神様だと銘打っていた

同じ道をまた
歩いているような感覚に
わたしはすべてに
置き去りにされたような気がして

それでも
この臓腑をしめつける痛みに
名も付けられず
悪夢の果てばかり
探していた

わたしが本当に疑う余地もなく
人間であるというならば
この地球の冷たさはなに
こうも生きていることに疑念を抱く理由は、

不様に這いずって
死ぬために生きる今日を
わたしはどんな顔をして
やり過ごせばいい

こんなにも絶望を
背負ったまま
明日になにを抱けばいい

月夜に無謀にも
母国を探していた

君があらわれて
手を繋いで

さみしかったね

というその瞬間まで




070119