死にたい、と思えるぼくになりたい
もういいと、云ってしまえたら
どんなにいいか

誰かの命の上に胡坐を掻いていると知りながら
それでも死ねないぼく
惨めに這いずり回って
無価値であることの罪悪すら忘れて
鈍くなった感覚で生きていく

この原罪は一生拭いきれない
だけど誰も罰せない
ただ怠惰な救いだけが寄り添う
甘美な誘い文句で手招きしながら

(嗚呼!死にたい!)

今日生き延びても
明日生きる意味がないんだ

しかしながら誰も意味など持っていない
そんな都合の良いものは誰も手にしてない
いやいや持っていた持っている
誰しも暗中模索さ
死ぬために生きる!単純明快!

今日生き延びても、いいのだろうか

この星の裏側の死にぼくの胸は痛みもしない
毎日のニュースに胸を撫で下ろすことさえしない
今日ぼくが死んでも誰も構いやしない
明日きみが死んでもぼくは泣きやしない

さぁ!心臓を打ち抜いて!
後悔?
笑止!生きていたって同じじゃないか!

悲しみを糧に
同情を背に
孤独を胸に
誰の理解もいらぬ
誰の涙もいらぬ

もういいんだ
もう満たされた
もう大丈夫だ
だから笑うよ

さよなら
次なんかもうないように祈ろう

さぁ!死のう!


(ぼくはそういうぼくになりたい、と小さくつぶやく)


今日も誰かが死んでいる
ただときどき気まぐれみたいに
縄を吊るした梁がポキリと折れる

ぼくはひっそりと自嘲しながらまだ生きている




090712