あたまのわるいこども。
生きていくことが怖くなかったことなんて、一度もないよ。
山ほどのいい訳を抱えながら、だけど、それらを口にしたら負けてしまうと分かっていたから。強がって笑ったよ。そうやっていつか大人になって。強がっていることさえ忘れるんだ。
止まってしまいたかった
まぼろしに埋もれて
もう死にたい
なんでこんなに苦しい。生きることは、どうして、こんなに心を震わすの。もっと簡単にしてほしかった。中学生のとき解けなかった数学の問題よりもずっと難しくて、厄介で、だけど、捨て置けない。
(あの手は確かに優しいけれど縋りつけるほど強くはないね)
深夜2時。寂しさはウサギなんか殺さないけれど、人間を簡単に殺せる。ああ、寂しいね。夜は長い。泣いて、啼いて、それでも、まだ明けない。このまま、世界が閉じたままだったらいいのに。そうすれば、なにも怖くない。もう、夜に脅えなくていい。
(夜は怖いよ。だってまた朝が来てしまうから)
止まってしまいたかった
弱い、ぼくは弱い。でも誰もそれを知らない。
笑う、ぼくは笑う。誰にも見つかりたくないから。
泣く、ぼくは泣く。ねぇ生きるってなに。
止まってしまいたかった
世界よ
ぼくを置いていけ
弱い、きみは弱い。だけど、それでいいって笑う。
ああ会いたいな
会って抱きしめて
それだけで生きていけるって気がする
止まってしまいたった
愛―まぼろし―に埋もれて
ああやっぱり
死にたい
090217