「     」、



きみとぼくだけが知っている
そんなことばを用いて
約束を交わすとか、
愛を語るとか、
してみたいね
そんなことしてみたかったね

ぼくらは
やさしいだけの世界を
めちゃくちゃに罵る
そんなことばしか
持っていなかった

できてもせいぜい
きみと一緒に
不幸を嘆くことくらい

そんなへたれたぼくらには
溢れかえる哄笑しか聞こえなくて
情けなくって笑えるね、
そう云いながら
耳を塞ぎあうくらいが精一杯で

   死にたいね、
    死にたいね、

そう云いながら
笑いあうくらいしか
救いがなかった

なんでぼくたち
二人きりじゃなかったんだろうか

世界は余分なものが多すぎたね、

いらなかった
記号みたいで
上滑りしていくだけの
そんなものいらなかった

だってきみはもう
ひとりでこっそり






死んでしまったのだから




080830