自由なのはこころだけです

社会の秩序を前に
わたしのからだは従順です

あの不躾な標識
あの地味な信号
あの退屈な時刻表

しかし社会とは
つまらなければ成り立たないらしい

逆らうと社会的に損をします

逆らうとこころは笑うのだけど
すぐにさみしくなります
ルールにモラルにわたしは不自由

想像に妄想にわたしは自由

今日もわたしは鳥ではなかった

今日だってわたしは鳥になっていた

夢だと笑うきみの
こころの不自由さといったら
わたしが信号無視して
死んでしまうくらいにもったいない

この国の秩序
きみから笑顔を奪うなら
わたしがすぐさま壊してあげます

透明な手
いびつなやさしさ
ルールのないというルール

うつくしい無秩序をあげましょう

きみのこころに
あげましょう

鳥が標識ぶらさげて
七色の信号ままたいて
きみの口笛が電車の合図

降り注ぐ雨は甘く香りたつ

きれいな世界
絵本のようだね

そうして今日もわたしは
ふふっと笑いながら
えんぴつを転がす

(世界は今日も平和です)




080215