いつかが過去になる日まで



はじめて詩を書いたのはいつだっただろうか

11歳のときノートいっぱい言葉を書いた
13歳それが詩だとはっきりと意識した
14歳書くことだけが生きるすべだと思った
15歳わたしはわたしを少しだけ好きになる
わたしは書き続けてきた
言葉を
思いを
今日までずっと
たぶん死ぬまでずっと、

書くことはさらけ出すこと
わたしはその瞬間だけわたしを恥じない
恥をさらすことを恥じない

言葉は武装
言葉は虚勢
言葉は嘘

だから誰も触れられない
誰にも分からない

でも分からないということを
分からなくなってしまうのは嫌だから

悲しみを唄い
孤独を唄い
それでもいいと抱き締めて

今日生きるために書いて
今日が明日になるために書いて
明日が明後日になるために
書いて足掻いて

足掻いて

詩、なんてとても呼べないけれど。わたしは言葉があるから繋ぎ止められている。世界に、というか、わたし自身に。死なないために書くのだというと本当に大仰だけど、わたしは何度も書くことでわたしを救ってきた。それは、でも、まぁ、ひとりよがりとも云えるのだけど。でもこのひとりよがりが、わたしの言葉が、誰かを救うとき(それはもしかしたら死ぬ間際まで来ないかもしれないけれど)わたしは本当の意味で救われるのかもしれない。

幸福な少女が不幸を夢見て、いつか、幸福になる

そういうお話です。




090906