スキャンダル



愛されたい
息もできないくらいに
めちゃくちゃに








不安になるとそういう妄想が膨らむ。卑屈になってわたしをダメで嫌いだと思う。卑屈さは美しくない。ネガティブは多少ならば許されるけれど、後ろ向きさはなんとなく匂わすだけでいい。辛いけどちゃんと生きているんだって思われないと。

屈折するなら潔くなくちゃダメ。ふふん、と威張って胸を張って。だけど嘲笑はダメ。あと少しだけバカなふりもしなくちゃ、ね。

猫みたいに生きたいな。

誰かを嫌いになるのは疲れるからしない。
誰かを本気で愛することもしない、怖いから。

というか、面倒だから、かな。

真っ向勝負をする人はすごい!と思う。
わたしにそういう強さとか、ある意味でのバカさとか、ない。
隠して笑うほうが楽だから。
と、思い込んでいるから。楽を穿き違えているから。

卑屈な言葉はひとりよがりだから誰もが見下して通り過ぎていく。少なくともわたしは。
誰だって不安だ。だからそれを口にしたら、形にしたら、ありきたりで安い共感だけが通り過ぎていくんだ。それは嫌だ。卑屈さは口にしないでいたい。世界を呪う言葉は口にしないでおこう。

きれいな言葉にそっと影を含ませて微笑もう!

微笑もう!微笑もう、ほほえもう、

だけど本当は世界を呪いたい。自分を貶めたい。卑怯だと銘打って嗤いたい。

そんなわたしを許されたい。

素直になりたい
本音を口にして
許されたい
叱られたい
子どもみたいに泣きたい

愛されたい!

スキャンダラスな夜

(うそにみたされた夜)

どうしようもない夢を魅る




090803