きみの真実になりそこねた日
ぐらぐらする脳はそれでも本音を云わなかった
簡潔に云おう!死にたいのだ!
しかし痛いのは厭だ
こずるい大人のようにすら振る舞えずに
きみだけの真実だった一瞬のために
過剰に生命を燃やそうと試みる

ハローハロー
きみとはすなわち左耳の欠けた猫なので
返事のひとつもありはしない
(そう彼女はニャアとすら云ってくれない!)

簡潔に云おう!

なにひとつ真実はない
明日はきっと真逆の信念のために
死のうとすらするだろうから

ハローハロー
ちょっと待って言い訳の準備がまだなんだ
どちらにせよきっとろくなこと云えないけれど
(そうぼくはニャアとすら云えやしない!)

死にたいのだ!

行き先の知らない電車に乗る
そんな妄想を馴染みすぎたベッドの上でする
きみの失望を待っている
深夜の浅い切り傷を塞ぎきれないまま

ハローハロー
ぼくにきみの真実にならせてもう死にたいって云わせないで
ほら、無防備な希望を盗んでよ!




110707