ないしょばなし



ひみつを語るきみのくちびる
そっと昂揚して吐息が乱れる
その瞬間がすき
キスしたいくらいに

だけどきみが口にしたから
ひみつはひみつじゃなくなる
明かせるひみつは
一体なんて名前が相応しいのだろうか
考えていたら夜が明けて
きみの話したことをすっかり忘れてしまった

ひみつはひみつのまま守られて
だけどきっといつかそれは奪われる
きみのくちびるも奪われてしまう

ぼくじゃないだれかに
もっと素直ななにものかに





100128