やさしい悪夢



どこまでが今日なのか
あやふやさに身をうずめて
眠る、眠る、
引き寄せられた夢は
あのとき失った未来
やさしい色をしていた
きみはしょうがないなぁとわらって

ぼくの左胸のあたりに
ぽっかりと穴が空く

目覚めの悲しみは
残酷なほど痛い

でもぼくへの罰だと云うなら
まだまだ甘い
きみが好きだった缶コーヒーより
ずっとずっと甘い

だからぼくは二度寝をする
左胸のあたりに
両手を押し当てて

(許されてたまるか)

涙も拭かずに眠る




091231