触れ合ったてのひらの温度
疎ましくて煩わしくて
なんども振り払った

許すような微笑み
苦しくて悲しくて
大嫌いだった

救いなんてない
(きみなんていらない)

かみさまも
愛も
ぼくが殺した

とおいとおい記憶ばかり
掻きあつめて
忘れたくないと
まばたきすら恐れていた

(きみなんていらない)

いらない、のに、

閉じた瞼の裏で
ほのかに発光して
塞いだ耳の奥で
やさしく鳴り響いて
遠ざけた愛の淵で
不器用に笑って

ぼくは思わず(さみしい)と云ってしまう

触れ合ったてのひらが
そっと繋がれる

(かみさまはいないけれど)

いまもまだ繋がれたまま




091219
(コミュに投稿した詩)