月にあばかれた真実は
かなしみに濡れていた

雫がこぼれおちないように
微光をたよりに
嘘をたくさん並べてみるけれど

見透かすひとつ目の引力に
負けてしまう

それならばせめて
暗闇にぽっかりと空いた穴に
引きずりこんで
持っていって

この雫をあの人のもとに
落っことしてよ




091203
(コミュに投稿した詩。お題「月の作用」)